2016年6月8日水曜日

新しい美容室へ

先日、二年間通った地元の美容室を出入り禁止となったので、鍼灸院で名古屋に行った帰りに寄れるよう、名古屋の美容室を探した。
春が過ぎてアレルギー症状は落ち着いているけれど、脳腫瘍が引き起こす体調不良が多いので、美容室に行けるくらい元気な時に、行っておきたいのだ。
美容室で施術を受けるのは、体力がいる。頭痛がひどい、耳から血や膿が出て頭が腫れている、吐き気がする、頭から手にかけて重い、嚥下機能が低下してむせてばかり・・・などという状態では、とても、何時間も座っているのはしんどい。

しかし、金曜日の夕方に、土曜日のお昼の予約を取るのはなかなか難しかった。
それでも、「雰囲気があまり好きとは言えないけど、とりあえず、髪を綺麗にまとめてもらえればいいし、安いし、今回だけだと思ってここにしておくか」と思える美容室がいくつか見つかったが、いや、待てよ・・・と思う。
「雰囲気があまり好きではないけど、とりあえず、地元で、自動車に乗れない私が公共交通機関で行ける。スタイルの仕上がりも毎回ほとんど好きになれないけど便利だし、ここでいっか」という理由で、二年間通っていた美容室で、突然、追い帰されるという痛い目にあったのだ。いい加減な気持ちで選んでいてはダメだ。
やっぱり、選択肢の少ない中でも、できるだけ自分が好きになれるところを探そう。そう思って、少し不便で馴染みのない街だったけれど、お店の雰囲気が良さそうで、アレルギー対応がしやすい小規模、かつ、有名店で修行を積んだ人が独立した、ということから「やる気がありそう」と思える店を探しだした。


知らないところに飛び込むのは、いつも勇気がいる。特に、脳腫瘍の手術を受けてからは、初めての場所で自分が順応できるかどうか、考え込んでしまうことが多い。今回も、直前まで逃げ出したい気持ちだったが、心を無にして新しい美容室のドアを開けた。

すると、ニコリともしない店長さんが出てきて、ヘアスタイルの要望などを聞き出してくれた。無愛想なこの人、ちゃんと対応してくれるかな?と心配になったが、アレルギーの件も打ち合わせして、「今は過敏な反応は出ないので、手袋で直接肌に触れなければ大丈夫」と話して施術を引き受けてもらえた。「薬品は大丈夫ですか?」と聞かれたので、「多少ヒリヒリすることはあっても、これまで薬品で何か起こったことはないので」と話した。

施術が始まってからは、「でも、そのアレルギーって、いつ、どういう時に気付いたんですか?」などと質問され、答えていた。
元々、花粉症などのアレルギーを持っていて、手荒れがひどかったので、そこからラテックスの成分が入った。だから、このアレルギーは、ラテックスの手袋に触れる機会の多い医師、看護師、歯科医師が多く発症するらしい。私はまだ自分で気づいているから危ない物を避けられるけど、患者がラテックスアレルギーと知らずに、手術を受けてしまい、術中に一気に心拍がおかしくなって死にそうになった、なんていう話も聞いたから、自覚のないままで医療行為を受けている人がいることの方が怖いと思う、等々。

この店長さんとの会話は、「そうだよね?普通、こういう会話になるよね?」と思え、安心できた。
美容師として、スタッフを雇う店長さんとして、本当にお客さんの髪や体に触り、綺麗にする仕事をしたいのなら、スタッフを大切にして一緒に良い店を作っていきたいと思っているのなら、興味がわいてしかるべき話だと思うのだ。

「何かを作られてる人ですか?お仕事は?」と聞かれ、「事務のアルバイトです」と答えたら、「あれ?そうですか?いや、お店に入ってきた時から、不思議な雰囲気がしていたんで。オーラっていうか、いや、見える訳じゃないんですけど、何か違うなと思って。うちに来る人は、アートとか作ってる人が多いんですけど、そういう感じがして」と言われた。「あ〜。私は趣味で何か作る程度で得意ではないんですけど、アートを観るのは好きですよ」と答えると、「ああ!良かった!やっぱり、そうですよね?」と自分の読みが当たって嬉しそうにしていた。
「僕らの仕事は、作り出すと言っても、素材ありきで、やっぱり限界がある。なので、何もないところから、一から全て自分で生み出す、ってことに憧れがあるんです」と言い始め、しばらく、ものづくりについて、お話をした。
すると、最後の仕上げ段階で、「もし、こういうのに抵抗がないのなら・・」と前置きして、私が挙げていた要望とは少し違った髪型を提案してくれた。この人は、私の雰囲気や、趣味や、話をしている感じを把握しながら、よりマッチする髪型を考えてくれていたのだ。
良かった。ちゃんと会話をして、客の潜在的な要望を引き出すことができて、より良い提案とそれを実現出来る技術を持った美容師さんに、ここしばらく会えていなかったのだ。こういうことを求めていたのよ、私は。
次も、ここに来よう。家から三時間とちょっと遠いけど、あのヘンテコリンな美容室に、スッキリしないまま通っていた頃より、よっぽどいい。客とちゃんと必要な話をしようとしてくれるだけで、気持ちが楽になる

しかし、一つ難点があった。
アシスタントの女の子のシャンプーが雑なのだ!
カラーリングの薬剤を落とすためにシャンプーをしてもらう時、薬剤をつけたまま、ゴシゴシと地肌をこするので、「イタタタ!」と声を挙げそうになった。しかも、左耳の穴が切れていて地肌を引っ張ると痛みがあることを前もって話していても、頭を持ち上げる時にちゃんと腕で持たず、地肌を引きずって耳まで引っ張られてしまったし、何度もズボズボと彼女の指が左耳に入った。私が痛そうにしていると、「あれ?どっちの耳でしたっけ?」ってそんな・・・。そして、薬剤を保護するためのクリームは顔や両耳に塗りっぱなしだったので、後から別の人が濡れタオルをもってきてくれた。
シャンプー後も、地肌全体がヒリヒリと痛んだけれど、最初に「薬剤には荒れたことありません」と断言して引き受けてもらっている限り、痛い、とは言えなかった。

そして、アレルギーの件だけですでに要注意の「変わった人」なのに、「店に入ってきた時から不思議な雰囲気」とまで思われており、この上、脳腫瘍で・・・と言い出すのはあまりにも気が引けたので、そっち方面の話にならないよう、頭皮や耳の痛みについてはひたすら我慢で黙っていた。耳は怪我をしている設定で通した。
病人の声は、なかなか世の中では聞かれないので、出来る限り、伝えていこうとは思っているけれど、「ちょっと変わった話」は一度にし過ぎない方がいい。
私はいつも、この設定で良いのか?ということを気にしている。

まあ、また、脳腫瘍については、おいおいカミングアウトして行こう・・。



いつも美容室に行くと、猫だけには大好評。
整髪剤にうっとり。
うなじから離れません。


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脳腫瘍と診断されて、こちらのブログを参考にさせてもらいまいた。
私も遅ればせながら参加中です。







4 件のコメント:

  1. 山猫さん

    美容室探し大変ですよね。
    自分は放射線治療を受けて右の頭部だけ髪質激変な上に髪の量も激減。
    しかも手術でちょいと窪んでるし退院後の初美容室は
    もの凄く勇気がいりましたね。

    その時は横浜で一人暮らしをしていた時に行っていた美容室まで行きました。
    片道1時間半。そこは男の人が一人でやっている美容室で友達のように話せていたもので。思っていた通り気軽に脳腫瘍のことも話せしばらくはそこで切っていました。が、さすがにそれも疲れて今は最寄り駅に一人でひっそりやっているトコロを探し当てて通っています。でも脳腫瘍のことは本当に小出しに話します。
    今通っている美容室も最終話までは当分かかりそうですしw
    友達ですらもう手術で完治したと思っていたのを
    この前知りこちらがビックリしましたからね。
    健康な人に病気のコトを伝えるのは本当に難しいですよね。
    遠いかもしれないけど山猫さんの行きやすい美容室が
    見つかって本当に良かったですね。

    昨夜から立て続けにコメント書いてスミマセン。
    返信とかは気になさらずに。
    ただの独り言です。
    自分もブログにきたコメントを
    何ヶ月も放置してしまったりする人間なので(汗

    ではまた。

    返信削除
  2. MiTsuOさん
    ありがとうございます!おかげさまで、先月も同じ美容室に行って来れました。
    私も、ちょっと前までは、ネットとパソコンの両方に不具合が続いており、
    ブログどころかメールさえも放置状態でした。
    しかも、自分にも不具合が出て、寝込んで職場も休んでいたので、
    回復してきた今が返信しどき(?)なんです!
    お互い、今度ともマイペースでお願いします。

    放射線治療、私、勧められているのですが、受けていないのです。
    やっぱり、髪の毛抜けたり、何かしらのダメージがあるのですね。
    私は手術で頭が凹み、顔が歪み、今でも調整に四苦八苦です。
    美容室は、小さいところが私も好きです。
    友人知人は、「手術して生き返った!ばんざーい!」みたいなノリの人、多いです。
    あの・・喜んでるとこゴメン、治ってないんだわ・・・という(汗)

    MiTsuOさん、まだまだ最終話まで引っ張る感じですか?
    私は先日、二回目の美容室で、「病気なんで、耳が冷えるとまずいんで、耳が出ない長さで」とさりげなく(?)散りばめてみました!

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    1. 山猫さん

      明日納期だった仕事が終わり一段落で
      返信しどきになり書いておりますw

      自分で書いておいて最終話ってなんだろうとw
      何だかそんなものはあるようなないような。
      それは本当に親しい友人・家族にする話のコトかもしれないし。
      当たり前のことだけど人によって知っておいて欲しいコトが違う。

      その美容室にはもう1年ちょい通っているので
      美容師さん位の人には言った方がいい病気のコトは
      話してしまった気がします。
      人によってどれ位まで話すかも難しいですよね。
      ただ単にその人を戸惑わせてしまうだけの可能性もあるから。

      最近、仕事で髪を切りにいく気力もなくなっていたのですが
      勢いで日曜日の予約を取りました。
      いい気分転換になるかな。

      ではでは。

      削除
  3. MiTsuOさん
    ただ雰囲気作りのために世間話をする人も多いので、
    病気の件のみならず、どの程度の無難な話で収めるか、というところに私は気を使いますね〜。
    と言いつつ、途中から面倒になって、ベラベラ話しちゃったりするのですが(笑)

    しかし、頭は信頼できる人に触ってもらって、いたわりたいものですね〜。
    脳腫瘍なだけに!

    納期も乗り切り、髪も切り、
    スッキリ爽やかな日曜日をお過ごし下さい!

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