実は、先週、倒れていました。
職場からの帰り道、買い物を済ませて、歩いていたら、視界に異変を感じました。
異変を確認するべく、空に視線を向けると、やはり、空の一部にモザイク模様がギラギラと瞬き始めました。
まさか?こんなところで!気のせいであってくれ!
そう思って、もう一度、空を見るも・・・ダメでした。
一般的に「閃輝暗点」と呼ばれているこの状態になると、数分でモザイクのギラギラが視界全体に広がり、視覚で世界が認識できないどころか、モザイクのギラギラを見させられるのが気持ち悪すぎて、目を開けていることすら出来なくなります。(と言っても、目を閉じたところで、どこまでもそのギラギラは追いかけてくるので、意識を失うのが唯一の逃げ道です)
そして、その後は、頭を叩き割りたいと思うほどの頭痛が何日間も続きます。ついでに、嘔吐や下痢、腹痛など、全身にその不調は及びます。
原因としてはストレスで、嫌なことを考えていても起こるし、心臓が苦しい(これも持病で、今思えば、数日前から胸が締め付けられるような痛みが走っていた)時や、寝不足の時にも起こります。
子供の頃は、よく自分のコブシで頭をボコボコ˜に叩きながら転げ回っていました。
モザイクのギラギラは光などの刺激によって、一気に拡がります。今回も、なるべく薄目にして、歩道を伝って、帰路を急ぎました。この発作は、一刻も早く目を完全に閉じて、横になり、襲ってくる頭痛や嘔吐になすがままにされ、意識を失うことでしか楽にはなりません。ギラギラの範囲が狭いうちに目を閉じて横になった方が回復が早いので、この発作が始まると、どこであろうと何をしていようと、タクシーを呼んで自宅なり病院なりに駆け込んで横にならないといけないのです。
その場所から家までは徒歩で10分、タクシーを呼んでも到着までに10分。タクシーの運転手との会話のストレスを避けたくて、私は歩いて帰ることにしました。
ちょうど、大きな企業の敷地にさしかかっており、歩道と金網があったので、目をつむりながらも、歩道沿いの金網に手をかけて歩くことが出来ました。
そして、その企業の敷地が終わり、他の道との交差点まで来たので目を開けると、車が一台、交差点で停車していました。
不審に思い、ナンバーと運転手を見ると、かなり遠くから仕事で来たであろう車で、運転手の若い男は、頭を垂れて地図か書類を一心不乱に見ていました。
嫌な予感がしつつも、私は歩道から降りて、ゆっくりと交差点を渡り始めました。その途端、その車が急発進して私に突っ込んできました。私は咄嗟に後ろに飛びました。
バランス機能を失っている私が後ろに飛ぶと、当然、転びます。転ぶことはわかっていたので、怪我を避けるため、持っていた手荷物と傘を景気よく道路にぶちまけて、私は上手にお尻からゴロンと転がりました。
上手に転がったは良いけれど、もともとサっと立てるわけでもないし、今は心臓も痛い。しかも、この衝撃によって、一気にギラギラのモザイクが視界のほとんどに拡がってしまいました。立てません。
車で轢いたわけでもないのに、なんで立たないんだ・・と思っていたようで、運転手は最初は知らんぷりしていましたが、私が起きないことには車が発進できないので、「大丈夫ですか?」と車から降りてきました。
ものすごく具合が悪いことになってしまったけれど、この男が本来の原因ではないし、関わりあっている場合ではない、病院に運ばれて遠慮しながら吐くよりは自分の家で自分のペースで苦しみたい、と思い、「家まで送りましょうか?」という申し出を断り、ガードレール伝いに歩みを進めました。
「ダメかも、ここで吐くかも、このまま救急車で運ばれてまた入院かも」という切迫した思いの中、なんとか家にたどり着き、猫が「ニャー!」と飛びついてきた時には、達成感と安心感、そして、これから来る激しい頭痛、またこんな発作が起こってしまったというやるせなさで、涙が出てきました。
「うううっ」
「にゃあああ!」
「うう」
「にゃあ!」
猫は私の手や頬をペロペロ舐めてはくれましたが、激しい「にゃあああ!」の合いの手を聞いているうちに、「どうした?!気合いを入れんか!」と言われているような気がしてきてアホらしくなり、悲嘆に暮れるのは30秒で終了。
うちの猫は湿っぽいのは嫌いです。さっさと散歩に連れて行って欲しいのです。
しかし、私もこの日ばかりは迅速な対応が必要なので、庭に出た猫を家の中に放り込み、自分は猫が入れない部屋に移動し、猛然と眠りました。
この段階で熟睡しないと、症状がどんどん悪化していくのです。
猫は部屋の前で、
「自分だけそこで何をしてる?!部屋を開けろ!俺を入れろ!俺の縄張りで俺を締め出すなんて、許さんぞ!不当だ!訴えてやる!」
とギャアギャア怒って鳴いては、自分の部屋に帰る、を3度ほど間をおいては繰り返し、
最後の方は、
「アオーーーーーー!アオーーーーーー!」
と泣くばかりでした。
必死の叫びも無視されて、
「ううう〜」
とドアの前で辛そうに漏らしているのが聞こえてきました。
もう夜も更けてお腹も空いていたのでしょう。
猫の泣くような悲しげな声に、すまない・・と思いながらも私は心を鬼にして眠り続けました。
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| イラストの画風も体調も、安定しない私。 布団は「大あんまき」みたいに、 猫はオジサンみたいに(笑) この時、最初はいつものベッドで寝ていましたが、 猫のアピールが激しすぎて全く眠れなかったので、別の部屋に引きこもりました。 |


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