2023年5月11日木曜日

[脳腫瘍手術の回想008 苦味だけが残る]

食べ物から「甘い」「しょっぱい」が消えて、

最終的に苦味だけが残りました。

(酸っぱいものも好きでしたが、そんなに記憶に残っていないので、さほどショックを受けることはなかったのかもしれません。)


最後には、命を守る機能だけが働いているのだ、と実感しました。

「苦い」と感じないと、腐敗した食べ物を避けられない、と言うことなんだな・・・

甘い、しょっぱいは、少々わからなくても即座に命を奪われることもないしな、と思いました。


が、苦いだけを感じて生きていく・・・これがまた楽しくないんですねえ・・。


しかし、

「見た目で想像した味と同じ味がする」という安心感、そして、そもそも「味がする!」ということ自体の喜びを感じるには、「魚のはらわた」が一番良いと気づきました。

後に、脳腫瘍の手術の日程が決まり、会社も辞めて家で自炊していた時、やたらと「魚のはらわた」ばかり食べていて、なんだか、いかにも病気っぽい光景かも、とふと我に返ったことがありました。単純に、やたら偏ったものばかり食べている、って怖い光景かも。


そして、前回も書きましたが、「苦くても違和感のないもの」がやっぱり好きで、チョコとコーヒーは長年、摂取していました。

昔、おばあちゃんになると、なぜか皆、ちょっと苦味のある仁丹を食べていて、よく私もおばあちゃんにもらいましたが・・・

あれって、やっぱり高齢になると味覚が落ちていって、最終的には「仁丹が美味い!」と言うことになるのかも、と思いました。


抹茶なんかも、おばあちゃんが好きそうなイメージですが、あれも味覚の変化(あるいは、味覚の鈍化)によるものではないかな?と想像します。


そう言う私は、今、スタバに来て、抹茶オーレとニューヨークチーズケーキを食べております・・・。


ちなみに、猫は、酸っぱいもの、苦いものを避けます。

甘いもの、しょっぱいものも嫌いだし、食べさせてはいけないけれど、「酸っぱい」「苦い」を避けるために、食べ物にかなり近寄って鼻をクンクンさせて、ちょっとでも「酸っぱい」「甘い」の要素があると、プイッと踵と返して、その場を立ち去ってしまいます。

本来、自分で狩りをしてその場で食べる「フレッシュイーター」等で、腐敗したものを徹底して避けているんだろうと思います。



[脳腫瘍手術の回想007 食べ物の好みの変化について]


検査に引っかかる前、自分でも自覚症状を感じられるようになる前に遡って考えてみると・・・

当時、デニーズに「チーズケーキとザッハトルテ」というスイーツがありました。(今もあるのかな?あれば食べたい・・・)


正しい名称は覚えていないけれど、つまり、ずっしりとしたチーズケーキとチョコケーキが一枚のお皿に盛り付けられていました。

デニーズにはデザートが色々あったけれど、私は行く度に、こればかり食べていました。


チーズケーキは、フワフワ系でもなく、レアチーズ系でもなく、今で言うならば「バスクチーズケーキ」みたいな食感で、嚥下困難な私にも食べやすい形状だった。

ザッハトルテも、均一で密集した形状で、これも今でも食べやすい食感。

チョコケーキに関しては、甘みが濃い、と言う理由もあるかもしれないけれど、そもそも私はカカオの味自体が好きで「砂糖なしでも食べられる」。(ちょっと甘みがある方が好きだけど)

多分、ちょっとした苦味も好きなんでしょう。


ショートケーキ類や、他のデザートが、味の気色悪さや形状が理由で食べられなくなっていく中、チーズケーキとチョコケーキの摂取だけは続いていた。


元々、好きだった食べ物が生き残ってくれて嬉しかったけれど、そもそも、自覚しないうちに「自然と食べやすい物」を選んでいたのかもしれない、と思うようになりました。


しつこいよ!とお思いでしょうが・・・

私は、食べ物のことを考えるのが好きなようです。

家族や友人等の味の好み、もっと言うと、好みの偏りの理由を考えるのが趣味みたいなところがあります。


私の場合、脳腫瘍がジワジワと進行して行く中、自分で無意識のうちに、「食べやすい形状の物」「甘みが薄くても違和感なく食べられる物」に偏って行っていた可能性がある、と思いました。


食の好みの変化は、この後も、そして、最近にも起こっています。

体質とか体調の変化に通ずると思うので、何か変化があったら、気にかけてみては?と思います。

ただ、好みが変わったからと言って、即MRIだ!と勧めている訳ではないですが、何か検査で引っ掛かったら、食物の好みの変化等、自己分析してみるのも良いかと思います。


これを書いていたら、デニーズのあのデザートセットが恋しくなりました。

今、ココアを作って飲んでいるので、この後、街に降りて、チーズケーキを探そうと思います。

では!





[脳腫瘍手術の回想 006 味覚異常が始まった その3]

 


前回、「ショートケーキのスポンジは、天ぷらの衣と同じ味」と書きました。


要は、「甘み」を感じられなくなっていたのです。


残業帰りにコンビニスイーツを買って帰って、家でテレビを見ながら食べる、というささやかな楽しみが奪われました。

(今考えると、身体に悪い習慣なのだけど・・・・その時は、それだけが楽しみだった)


そして、だんだんと「あれ?しょっぱさも感じない」と他の味もしなくなってきていることに気づきました。


「甘い」刺激は、一番強いのかもしれない、と今になって思います。


当時、私が住んでいた場所はスーパーやコンビニが近所にたくさんありました。

24時間営業の海外食材が豊富なスーパー、深夜0時まで営業のお惣菜が充実したスーパー等、それぞれ特徴のあるお店がいくつかあり、帰りの遅い私でも何かしら買い物ができる街でした。


が、もう何を買ってきても「味がしない」という状態になります。


元々の好みは薄味で、お惣菜とかインスタントとか、買ってくるもののほとんどに「味が濃い」と感じていました。


が、前回も書きましたが、甘さ、しょっぱさが足りないと、気色悪くて食べられないか、食べても「何かが足りない」感じがします。


すでに味付けされている食べ物に、さらに醤油をドバドバかけて食べるようになりました。


甘みも足りないので、何かしら、砂糖とかハチミツとかを足していました。


元々、そういった調味料自体があまり得意ではないところに、急激に量を増やしたせいか、体はしんどかったです。


全身がむくみ、吹き出物等も出てきて、これまた、気持ちも下がっていきました。


何食べても不味い、って、楽しくないのですよね・・・。


 

2023年5月8日月曜日

[脳腫瘍手術の回想006]味覚異常が始まった その2

 


前回、「ショートケーキのスポンジは、天ぷらの衣と同じ味」と書きました。


要は、「甘み」を感じられなくなっていたのです。


残業帰りにコンビニスイーツを買って帰って、家でテレビを見ながら食べる、というささやかな楽しみが奪われました。

(今考えると、身体に悪い習慣なのだけど・・・・その時は、それだけが楽しみだった)


そして、だんだんと「あれ?しょっぱさも感じない」と他の味もしなくなってきていることに気づきました。


「甘い」刺激は、一番強いのかもしれない、と今になって思います。


当時、私が住んでいた場所はスーパーやコンビニが近所にたくさんありました。

24時間営業の海外食材が豊富なスーパー、深夜0時まで営業のお惣菜が充実したスーパー等、それぞれ特徴のあるお店がいくつかあり、帰りの遅い私でも何かしら買い物ができる街でした。


が、もう何を買ってきても「味がしない」という状態になります。


元々の好みは薄味で、お惣菜とかインスタントとか、買ってくるもののほとんどに「味が濃い」と感じていました。


が、前回も書きましたが、甘さ、しょっぱさが足りないと、気色悪くて食べられないか、食べても「何かが足りない」感じがします。


すでに味付けされている食べ物に、さらに醤油をドバドバかけて食べるようになりました。


甘みも足りないので、何かしら、砂糖とかハチミツとかを足していました。


元々、そういった調味料自体があまり得意ではないところに、急激に量を増やしたせいか、体はしんどかったです。


全身がむくみ、吹き出物等も出てきて、これまた、気持ちも下がっていきました。


何食べても不味い、って、楽しくないのですよね・・・。


 

[脳腫瘍手術の回想 005]味覚異常が始まった

現在は2023年5月8日。

ゴールデンウィーク明けです。


皆さん、どこかに出かけたりして楽しまれたのでしょうか?闘病真っ只中の人は、猛然と療養されていたでしょうか?

私は人混みに行けない体質になってしまったので、皆が出てきそうな時、場所は避けています。

ここぞとばかりに庭仕事に専念しました。


去年の今頃は、目も見えないし、しんどくて苦しんでいるだけでしたが、

今年は、しんどいながらも、立ったりしゃがんだりもなんとか出来る様になって、

充実の引きこもりでした。


ゴールデンウィーク後半は大雨で、本当の引きこもり(家屋からも出られない)状態になりましたが・・・。


そして、1週間以上ぶりに街に降りて、Wi-Fiを借りてブログをアップしようと思ったら・・・

アップしようとしていた記事を間違えて消してしまいました。

目があまり見えてないと、こんなことの連続です。

確か、こんなことを書いていたような・・・と思い出しながら、以下に書きます。

ーーーーーーーーーーーーーー

白砂糖の味というのは、今となっては、「つんざくような甘さ」というか、なかなか刺激が強いのですが・・・

脳腫瘍の診断を受ける前の私は、毎日残業ばかりしているだけの人間で、夜遅くコンビニスイーツを食べるだけが鬱憤晴らしの方法でした。

そして、ある晩、気づきます。


「ショートケーキが気色悪い!!」


もうこの頃には、砂糖の味を感じられなくなっていました。

他にも色々、プリンとかアイスとか食べていたと思うのですが、何を食べてももの足らず。

そして、ショートケーキに関しては、物足らないどころの話ではなく、「気色悪い」の域で、食べられたものではなかったです。


油でギトギトの卵くさい小麦粉の塊と、フワフワの白くて臭いやつが口の中に広がる・・・。


1日のストレス解消どころか、ストレスがマックスになり、ほうれい線が一気に深まりました。


甘味を感じない、と言っても、もう油だらけの小麦粉なのでした。

こういう時は、自分が食べたことのあるものの中で、近いものを探すようで、私はこれを「天ぷらの衣だ!」と思いました。


残業帰りの深夜、天ぷらの衣に、臭くて白いフワフワを塗りたくって食べる・・・悪夢でした。


「天ぷらの衣の味がするんですー」と会社で周囲の人に訴えるも、皆、笑うばかり。


そもそも、形状によって食べられない物ばかりになってしまった中、比較的、食べやすい形状がプリンやケーキだったのですが、それも取り上げ・・・。

この辛さは、本人でないとわからないでしょう・・。

2023年4月28日金曜日

[脳腫瘍手術の回想004]何なら食べられるのか?を常に考える


前回は、喉の違和感について書きました。

食べたくても、喉から先に食べ物が通らなくなって、健康面や食の楽しみを失い、人と一緒に食事を摂れなくなったことも加担して、気分が下がり気味になって行きました。

「何なら食べられるか?」

を常に考えて、お昼休みにはうどんを食べて、家に帰ってからは豆腐とかお粥とか食べていたようにも思います。

元々、甘いものが好きだったので、最初はゼリーやプリンを食べる頻度を増やしていましたが、流石に甘いものの食べ過ぎで、体調不良にもなったし、もう身体がうんざりしてしまって、甘いもの以外で主食が欲しい、と思いました。

甘くなくて、栄養も摂れて、喉を通っていくもの・・・あれこれ考えた結果、「テリーヌ」と「煮こごり」が美味しそうに思えました。

(今、冷静に考えてみると、ご馳走ばっかり。そりゃ美味しそうに決まってる!)

煮こごりは仕事を辞めてから、時間ができたので自分で魚を煮て食べたことがありました。むせる危険性の低いものを安心して食べられる、という気楽さに幸せをしみじみと感じたことを思い出します。

しかし、テリーヌはデパ地下にでも行かないと売っておらず、毎晩残業して帰る頃にはコンビニしか開いていなかったので、結局、食べずに現在に至ります。

そもそも、仕事か何かでパーティーに出た時くらいにしか、テリーヌなんか食べたことなかったのに、よく思いついたな・・・。

後に手術を受けた後も、一時的に食べられる形状の物が一気に減りますが、どんな物なら食べられるのか?を常に考えて考えて、時には考え疲れて、キッチンでへたり込んでしまって・・・それでも、何かを食べて生きてこられたのは、自分が食いしん坊であったおかげだと、つくづく思います。

こういう状態になると、元々、食にあまり興味がない人(男性とか?)とか、偏食の人はかなり厳しいのかもしれない・・・でも、病気をきっかけにバージョンアップして、自分で色々と食べられるメニューを編み出してしまう強者もいるのかな・・。

その後、入院してからは嚥下困難でも食べやすい物も教えてもらえたし、自分の体の扱いにも慣れて、今はもう食品の選別に慣れました(つまり、治ったわけではないです)。




2023年4月20日木曜日

[脳腫瘍手術の回想003]喉の自覚症状:食べ物が戻ってきてしまう

 「食道に病変あり」の自覚症状について、書いていこうと思います。


検査でE判定が出た当時、自分でもおかしいと思い始めたのは、食べた物が戻ってきてしまうことでした。


嘔吐ではなくて、「戻ってくる」というか、要するに、口の中で咀嚼して喉から内臓に送り込んだつもりでも、口の中に食べ物が戻ってきてしまう。「喉を通らない」とも言えると思います。

「喉を通らない」と言ってしまうと、「食欲がない」という意味にもなってしまうけれど、食欲はありました。私に起こっていたのは「食べたくて、口の中に食べ物を入れているのに、そこから先に進めない」という状態でした。


ご飯やパン、普段食べている物がなかなか喉を通って行かない。キノコなんか、そのままポコっと舌の上に戻ってくる。

職場の昼休みの時間は限られていたし、朝晩も噛んでも飲んでも食べ物が入って行かない・・・これにはまいりました。


そんな中、色々と試した結果、「うどんなら食べやすい」ということに気づきました。

ふにゃふにゃに伸びている方が食べやすかったので、昼休みには一人で食堂に行き、かなり手こずりながら、ポソポソと食べていた頃、なんだかすごく悲しかったのを思い出しました。


この時点で、すでに「友達と一緒に食事ができない人」になってました。

とにかく、時間が許す限り、食べることに従事しないといけないので、会話を楽しみながら食事を摂るなんて高度なことはできないです。


毎日毎日、うどんばっかり・・・

もっと野菜とか魚とかも食べたい・・・

栄養的にも偏るし、アトピーもあるし、便秘にも良くないよね・・・


とも思っていました。

当時、残業がやたらと多い仕事をしていた中、少ない自由時間で、好き勝手な物をパパッと食べて快楽を得て、同僚たちとおしゃべりして・・・

そんな時間で「手っ取り早く」ストレスを解消することも取り上げられ、気分も下がり気味になって行きました。