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2023年4月8日土曜日

ネット依存の療養生活

 10年前に脳腫瘍の手術を受けた後、一人で田舎で暮らしてきたわけですが・・・

ネット依存が甚だしかったです。


生まれ故郷の生家に戻ったといえども、家族はおらず、地元で付き合いのある友人は一人きり。

同じ街に親戚は一人だけいたけれど、バスや電車を使って1時間ほど行ったところで、術後の私にはその移動が大仕事でした。


歩いて15分くらいのところにスーパーマーケットがあったのですが、当時の私は1時間くらいかかって、途中でどこかに座って休んでなんとかたどり着いてました。

しかも、手術でバランス感覚を失っていたので、買い物できる品物は一個のみ。醤油を一本買ってリュックに背負って帰ってきたのを思い出します。


とにかく、歩行するだけで精一杯、という状態だったので、買い物や調べ物はネットに頼りきり、

「IT万歳!!」

と言っていた当時の自分を思い出しました。


そうこうするうちに、コロナ騒動が始まり、都会からのお見舞い客も途絶え、本当に「誰とも喋らない」という日々が続きました。

一ヶ月や二ヶ月は誰とも喋ってない・・・そして、喋ったとしてもスーパーのレジの人に「ありがとう」と言ったり、「シール集めてますか?」と聞かれたりする程度でした。

病院に行けば、医師やナースと話すこともあったけれど、調子が悪すぎて通院もできない、となると、本当に三ヶ月くらいは人と会ってない、なんてことが続きました。

最初、これが精神的にきつかったです。

一人暮らしには慣れていたし、一定期間、誰にも会えなかったとしても、お店やイベントに行きさえすれば、誰かの気配や「人が作ったもの」に触れることができました。

が、人のいることろ、お店や人の作ったものにすら触れられない、というのがこんなにも辛いこととは知りませんでした。

「一人で平気」と思っていたけれど、誰かが作ったお店とか、アーティストが作った作品とか、そういうものにどれだけ救われてきたことか・・・思い知りました。

そして、SNSや、YouTube(これも、まあSNSだけど)だけが心の拠り所になって行きました。

事実、元々の友人知人たちとはSNSでなんとなく近況を知り合えるし、SNSを通じて新たな人とも知り合って行きました。

もう「一つの世界」です。


それが今や、携帯電話にも触れない、Wi-Fiの飛んでる空間もしんどい、という状態になってしまい・・・・

SNSでやりとりしていた人たちにも「しばらく休みます」と挨拶をして、ネットの世界から下りました。

何事も早すぎた人生だったなあ、

としみじみ思います。


2023年3月22日水曜日

術後10周年

気づけば、今年の秋には術後十周年を迎えます。

秋まで生きていれば、の話になりますが。

なんとなく、お祝いムードというか、一つの区切りを感じます。


当時、執刀医には

「あなた、このままでは10年持たないと思うよ」

と言われ、手術することを決めました。

術後には、リハビリや身体の動かし方等について教えてもらっていた先生に、

「今後10年間は、生き延びることだけを考えるように」

とも言われました。


というわけで、術後10年間を生き延びなければ手術した意味はないが、生き延びることだけに専念する10年間というのも、なかなか大変でした。


が、とりあえず「術後10周年」間際まではなんとか生きたので、

もうそれで良いのかも、と思っております。


「10年」という表現は、本当にその年数を指す場合もあるけど、何かの例えだとも捉えられます。

「10年」という年数を頭に置いて、辛抱強く日々を過ごしていれば、なんとなく気づけばまだ生きている、という状態になるんだろうな、と思いました。

一つの目標としての年数。


「自分は後10年で死ぬんだ」と思って、もっと一生懸命に生きたり、自分の嫌なことはもうしないようにしたりすれば良かった!


さて、これからは、生き延びること以外のこと、これからの仕事や生活、余生の楽しみについて準備して行きたいと思います。


そうこうしている内に「死んだ!」となっても、心持ちとしては、そう悪くない状態なのでは?と思っています。