2017年3月25日土曜日

弱者になって


この記事は、前回の記事「いかにして私はクビになったのか」の続きです。



しかし、上司の言い分は理解できなかった。
確かに、邪魔者扱いされているのは常に感じて来たけれど、それでも半年前の契約更新時には、
「他のバイトの人たちの契約期間が切れるから、この先はもう山猫さんしかいない。他に行くところが決まっていなければ、まだ半年間はいてほしい。作業はある。」
と言われたので、契約を更新したはずだった。


「うちだって、休まれたら困る!」と怒鳴られもしたが、私が脳腫瘍の通院で休んだのは、この一年で二日間だけだったし、「今は暇だから、今のうちにいくらでも休んで!」と言われるまで通院を待っていた。
そして、最も忙しい時期にだけ、別のバイトを入れて頻繁に休んでいた人たちもいたが、おとがめ無しだった。しかし、私一人が「この時期は、絶対に休まないように」と釘を刺された。

この一年間は、当然、周囲にあからさまにツンケンされたり、無視されたり、ということもあった。
周囲の敵意を浴びながら仕事をするのは神経がすり減る。体調も悪くなり、ミスも増える。全てが悪循環だと思ったけれど、私個人のことを嫌いなら、仕方がない。人の好みには文句をつけられない。嫌い方も人それぞれ。意地悪をしないと気が済まない人もいる。こちらは我慢するしかない。
でも、持病があるからと言って「どうせ、お前は好き放題に休む」と決めつけて怒鳴りつけることには、どうしても理解を示せなかった。
つまり、これって病気差別なのでは?
私は、社会から「排除すべきお荷物」として責め立てられる「弱者」になってしまった。何かあったら真っ先に、何もなくても当たり前のこととして。

しかし、実際は、こんな考えに至るには少し時間がかかっていた。
「辞めます」と連呼するまで責め立てられたその日、家に帰っても、恐怖心でいっぱいで、何も手につかなかった。猫の世話もおろそかになり、風呂の水は夜中まで溢れ続けた。
術後に不自由な身体になってからの私は、完全にサバイバルモードになっているようで、故意であろうがなかろうが、自分に危害を加えそうな人(身体的にも、精神的にも)を見分けて、距離を置くようにもなっていた。また、自分に対する攻撃でなくても、誰かが他の人や事物を批判しているのを見聞きするだけで、萎縮してしまっていた。
今回の上司は、しょっちゅう誰かを酷く憎み、罵倒しては相手をしきりに呪っていた。他の部署の持病のある人とも対立し、相手を出社拒否に追い込み、それを「私のせいにされたら困る!」と何日間も大騒ぎをしていた。その様子を見ているだけで今の私には充分に恐ろしかった。周囲も冗談半分にその上司のことを「あの人は、呪いの力が異様に強いから怖い」などと言っていたけれど、私にはそれが本当のことだと感じられてならなかった。

「怖い。呪われた。殺される。」
その晩は一睡もできず、翌日には血を吐いた。
当然、腫瘍周りの独特の頭痛も出た。
お腹に、何かが重くのしかかっているようで、ご飯も食べられない。
腫瘍持ちの身体になってから、疲れたり睡眠不足になったりすると、すぐにこうなってしまう。血流に不具合が出るのかもしれない。

しかし、翌日、私はいつも通り出勤していた。
こんな目にあってまで職場に行くべきではない、とは思ったものの、「休みます」とその上司に電話するのも嫌だったのだ。そんなことをしたら、さらに呪われるだけだった。

やっぱり、おかしいと思ったことは見て見ぬフリをしてはいけなかった。
私は反省した。
最初から自分に合わないと思っていた職場に一年間も通い続け、誤魔化しきれなくなった不調和がついに爆発した、と思えた。
というわけで、私は職場を追われたのだった。

様子のおかしい私の足に、必死でかぶりつき猫キックを連打する猫。
馬鹿者、正気に返れ!と言っていたのかもしれない。
お風呂のお湯がなくなってしまっており、気づいた時には水風呂に入っていた・・。

14 件のコメント:

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  2. その上司の名前を小さな白い紙に書いて、四つ折りにしたものを、やはり大きめの白い紙に、お札みたいに包んで、本棚とかに立て掛けておいてごらん。
    相手の邪気が見事に来なくなるから。
    仕事やめたらそのお札を燃やせばオッケイ。
    ただ立て掛けるだけで、固定してはいけない。

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  3. >かっくいさん
    まさかの呪い防御策のご提案(笑)!
    ありがとうございます〜。
    こんなところで殺されている場合ではないので、月末まで生き延びるぞー!

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  5. 体の、調子が、悪い人にそれだけ、叱咤する上司考えれない‼ 反対の立場になったらどうするのでしょうか? そんな体調の中でも休まず勤務されてたんですね?
    弱い者には強い人いるけどそこまで当たり散らす上司は中々いないと思います
    ストレスは計り知れないです それで通用する会社発展はないです
    来週までですね もう少しです
    病人にはつらい 社会 恐ろしい~です

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    1. ありがとうございます!
      確かに、ちょっと極端な例だったかもしれませんが(^_^;)
      残念ながら、「身体の調子が悪い人」に対してだからこそ、腹も立つし、追い込んでやりたくなってしまうのだと思いました。
      それに、上司は反対の立場にはなりっこないので、大丈夫だと思います。
      でも、演技が上手いか下手か、というだけで、本質的には、弱い者に当たるのが人間(の弱いところ)だ、ということがわかりました。
      健康な人たちが自分たちの都合で作っている社会なので、そこに参加するには、こういう扱いになるのも仕方ないです。
      社会とはほどほどに付き合うくらいで、充分だと思いました。

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  7. ご主人が大変な時に、私なんぞのことまでご心配いただき、ありがとうございます!
    そして、そんな風にブログを楽しんでいただけていたとは、嬉しいです。
    どんな職場でも、おかしな常識ははびこっているものですよね・・。
    職場の人々からしたら私なんて「お前こそ変人だ!」と思われていることでしょうけど(笑)
    命に関わる問題に比べたら、私の書くことは、くだらないことばかりです。
    くだらないことをこなしつつ、まずは生きていかねば、と思ってます。
    連続で更新したり、突然止めたリですが、今後ともよろしくお願いいたします。
    ご主人さま、お大事に。

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    1. 猫ちゃんとゆっくりしてから、次はストレスフリーな職場が見つかるといいですね!
      また素敵な絵を期待してます(特にネコが可愛い💠

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    2. >くるみとこさん
      ありがとうございます〜!猫の絵は下手なりに、楽しんで描いております。
      そして、とりあえず、来月からはゆっくりします。
      猫は春の訪れとともに、日に日に活発になってきていますが、私はのんびりしたいと思います。

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    3. のんびりゆっくりしてからでいいのですよ~
      焦らずにね!
      私の主人の事も心配してくれて申し訳ないです。
      御近所だったら一緒にランチ☀🍴したいですね!
      とにかく何だか気になるので陰ながら応援してますよ!
      1人にならないで欲しい(気持ちのこと

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    4. ランチのお誘い、ありがとうございます!(^ ^)
      今日のお昼は、くるみとこさんとお洒落なお店でランチをするところを想像して食べます(コタツで)
      春はアレルギーで寝込むし、夏はバンバン倒れるしで、毎年、七転八倒するので、今年は実験的に休んで様子を見てみようと思っています。
      陰ながらの応援、ブログを書く上で一番嬉しいことです。
      看病したり見守ったりする側の大変さ、難しさ・・・色々とあると思いますが、私がそちら側だったら、すっごく下手くそに違いないです。(^◇^;)
      さて、お昼は何にしようかな?ランチっぽいメニューにしなくっちゃ!(笑)

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    5. 流石の文章力ですね!
      有り難い返信😢⤵⤵
      今日、また主人一段と悪い状況になりました。
      泣けるだけ今日は泣きました。
      だけど、山猫さんの返信でニコッと出来ました!
      ありがとうございました‼

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    6. そうでしたか・・・。
      私はいつも心配されたり看病されたりする側なので、想像することしかできませんが、くるみとこさんも心身ともに大変な時だと思います。
      どうぞ、お大事になさってください。

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