2016年4月30日土曜日

病人と世間について

前回書いた「脳腫瘍によって起こっている弊害」という記事が、何度やり直しても、レイアウトがメチャクチャになってしまうので、後半部分はリライトして、こちらに分けました。

前回の記事では、不調を原因別に列挙してみましたが、身体は全体で一つなので、分類する作業自体にちょっと無理がありました。


まあ、術後の体調をざっくり言うと、「気がつくと、いきなり大怪我&年老いていた!」という感じでしょうか。(急に、ざっくり言いすぎか?)



手術をしてから、手術で受けたダメージそのものからは徐々に回復しつつあるけれど、腫瘍は成長し続けているので、腫瘍によって起こる麻痺は悪化しています。そして、ダメージを負った状態で日常生活を無理して続けたせいで、新たな不調が次々と出てくる、という「一難去らずしてまた二難、三難」という状況です。


たまに「もう、かなり良くなった?」と聞かれることがありますが、そういう場合は、「良くなった」という回答ありきで聞かれることも多いので、一瞬、返答に困ります。

相手は、私と明るく楽しいやり取りをして盛り上がりたいだけなので、私の本当のところなんか知りたくはないのはわかっているけど、不吉で景気の悪い話として忌み嫌われていることを汲んで、肩身をどんどん狭くして行っても自分が苦しくなるだけなので、「おかげさまで、なんとか生きてます」と答えることが多いです。まあ、これなら、相手にも自分にも嘘はついていし、良いかなと。

なんとなく、人って、自分の周囲の環境を良い感じに整えたくて、良い答えを誘導するような質問を周囲に投げかけているように見えます。きっと、自分の見える範囲には、病気の人がいない方が幸せなんだろうな、と思います。そして、今の私はある意味、一歩引いた目で世の中を見ている分、ショックは少ないと思うのですが、それでも時々、世間とのお決まりのやり取りに、疲れます。でも、本当に、病気になって不安で五里霧中の人(私も本当は悩んでいるんですけど、性格上、表に出にくいようです)が、これをされたら、かなりキツイんじゃないかな、と思います。二次障害って言えば良いのか・・本来の病気や障害にプラスされて、こういうキツさが世の中から加えられているんじゃないかな、と。


病人に「調子はどう?」と聞いておきながら、病人がただ単に本当の現状を伝えたり、本当に抱えている不安を打ち明けたりしようものなら、かぶせ気味にポジティブな言葉で抑え込む人々。それをあちこちでされた病人は、自分の現状は世間には話せなくなってしまいます。最終的に、どこへ行けばいいの?と思います。運良く生来のカウンセラー的な人物に会えれば良いですけど、なかなか行き場なんてないんじゃないかと思います。


そして、病人に「ポジティブな返事」ありきで何気なく近況を聞いてしまい、気まずい思いをして懲りた人は、「ワケありっぽい人には、下手に世間話をフラない方が無難だ」と学習し、遠目で見るだけの人になって行くような気がします。脳腫瘍の手術をする前の私も、無意識のうちに、あまり身近な人が死んでしまうような話や病気の泣き言は聞きたくない、何かが起こるとしたらそれはもっと先のことだ、と思って逃げていたところがありました。


こんな重症を負った今ですら、その「見たくないものは無いことにする」癖からは抜け切れていません。「自分も近々、死ぬ。もう目の前にフタをして見ないフリをする時間は残されていないんだ」と自分に言い聞かせてはいますが、なかなか・・・。しかし、私も、脳腫瘍で麻痺や障害がある、といくら言っても、身近な人にすら通じない現実を目の当たりにしているので、誰かが何らかの病気で困っていたとしても、世間には理解されないどころか、社会全体が全く興味を持たないだろう、と想像できます。


「病人って色々と大変なんだ。症状が辛いだけでなく、孤独が深まるんだ」と自分が病人になってみて、やっと、病人のことを想像できるようになった気がします。


そして、生活するためには社会に出ていかないといけない。健常な人と一緒に仕事をするためには、ややこしい話には触れたくない人や興味のない人にでも事情を説明しないといけない。聞きたくないと思っている人に、あえて自分のことを説明する、ってこんなに大変で、気が引けることだとは術前には思ってもみませんでした。



しかし、よく考えてみると、脳腫瘍でこうなる前は、「自分一人で、他人に迷惑かけずに仕事もプライベートも細々とでもやっていければそれでいい」と思っており、他人に自分のややこしさを説明して理解を求めるなんていう面倒なことは、避けて避けて避けまくって、ある意味、自分本意で傲慢に生きていました。

そりゃ、説明なんて上手いわけがなかった!

せめて、今はこのブログを、「こんな様々な弊害を抱えた人間でも、なんとか生きているものなのだ」という程度にでも参考にしてもらえたら、これ幸いです。


世間なんてどうでもいいさ。
一日遊んで生きたら、あとは思い切り伸びて寝るだけだぜっ。
・・・猫はいいよなあ。




 脳腫瘍と診断されて、こちらのブログを参考にさせてもらいまいた。 私も遅ればせながら参加中です。
脳腫瘍と診断されて、こちらのブログを参考にさせてもらいまいた。
私も遅ればせながら参加中です。


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