10年前に脳腫瘍の手術を受けた後、一人で田舎で暮らしてきたわけですが・・・
ネット依存が甚だしかったです。
生まれ故郷の生家に戻ったといえども、家族はおらず、地元で付き合いのある友人は一人きり。
同じ街に親戚は一人だけいたけれど、バスや電車を使って1時間ほど行ったところで、術後の私にはその移動が大仕事でした。
歩いて15分くらいのところにスーパーマーケットがあったのですが、当時の私は1時間くらいかかって、途中でどこかに座って休んでなんとかたどり着いてました。
しかも、手術でバランス感覚を失っていたので、買い物できる品物は一個のみ。醤油を一本買ってリュックに背負って帰ってきたのを思い出します。
とにかく、歩行するだけで精一杯、という状態だったので、買い物や調べ物はネットに頼りきり、
「IT万歳!!」
と言っていた当時の自分を思い出しました。
そうこうするうちに、コロナ騒動が始まり、都会からのお見舞い客も途絶え、本当に「誰とも喋らない」という日々が続きました。
一ヶ月や二ヶ月は誰とも喋ってない・・・そして、喋ったとしてもスーパーのレジの人に「ありがとう」と言ったり、「シール集めてますか?」と聞かれたりする程度でした。
病院に行けば、医師やナースと話すこともあったけれど、調子が悪すぎて通院もできない、となると、本当に三ヶ月くらいは人と会ってない、なんてことが続きました。
最初、これが精神的にきつかったです。
一人暮らしには慣れていたし、一定期間、誰にも会えなかったとしても、お店やイベントに行きさえすれば、誰かの気配や「人が作ったもの」に触れることができました。
が、人のいることろ、お店や人の作ったものにすら触れられない、というのがこんなにも辛いこととは知りませんでした。
「一人で平気」と思っていたけれど、誰かが作ったお店とか、アーティストが作った作品とか、そういうものにどれだけ救われてきたことか・・・思い知りました。
そして、SNSや、YouTube(これも、まあSNSだけど)だけが心の拠り所になって行きました。
事実、元々の友人知人たちとはSNSでなんとなく近況を知り合えるし、SNSを通じて新たな人とも知り合って行きました。
もう「一つの世界」です。
それが今や、携帯電話にも触れない、Wi-Fiの飛んでる空間もしんどい、という状態になってしまい・・・・
SNSでやりとりしていた人たちにも「しばらく休みます」と挨拶をして、ネットの世界から下りました。
何事も早すぎた人生だったなあ、
としみじみ思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿